1934 ヴィンテージ ポート
私の父は、昭和9年1934年生まれでした。第二次世界大戦を越えて生きて、激動の昭和を駆け抜けた、とても尊敬できる素晴しい人でした。今年は一歩でも父に近づきたいと思います。本当に色々なことを教えてくれました。家業の呉服屋のことも勿論ですが、特に自然科学の分野をたくさん教わりました。福井県大野市という自然が豊かなところで生まれ育ち、知識だけでなく経験もある為に、一緒に山で山菜取りなど、子供の時からの記憶はとても楽しかった事ばかりです。吉田拓郎の夏休みのような感じですかねぇ。
私の父は、随分昔に願掛けをして達成するまでと酒を断ったそうです。その願が叶ったら、父と一緒に飲もうと思って、少し高かったのですがワインのオークションで手に入れました。古いポートワインにありがちな造り手は不明な、父の生まれ年のヴィンテージポート1934年です。残念ながら一緒に飲むことはできませんでしたが、昨年の一周忌を過ぎて開けることにしました。古いヴィンテージポートワインを開けるのは、難しく、経験がないと美味しく飲めないことがあります。コルクがちゃんと抜けないことが多く、さらに大量の澱を取り除く作業が必要です。このヴィンテージポートは、なぜだか澱が少なく手間がかからず、推定では一度澱を取り除いてリコルクしたように思います。お陰で減ることなく楽にデキャンティングできました。色は、茶色が支配的でコーヒーのような色合い。香りは、甘く豊かでコーヒーキャンディーのような香り。味わいは、アルコールのボリューム間が豊か、甘味が強く酸味と苦味がしっかりとしていて、カラメルのような余韻が長く続きます。75年の年月で、落ち着いた素晴らしい味わいに変化したことだけは確かです。ヴィンテージポートは、何よりも時間が美味しくしてくれるワインだと再認識しました。あぁ、父と一緒に飲みたかった・・・
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